ロープウェイを利用して蔵王山に登る
故郷山形に帰り蔵王山に登る。蔵王山はその周辺の山形県民にとっては登山の原点となる山と言っても良いだろう。小生にとっても登山と言うべき最初は小学5年生夏の蔵王山である。高校1年、3年にも登った。ロープウェイは利用しなかったが、急登や鎖場もなく簡単に登れたという記憶である。前泊した福島の叔母の家から山形新幹線でJR山形駅に出てバスに乗り継ぎ蔵王温泉に下車し、ロープウェイで地蔵様まで上がる。心配した天候は良い。台風20号は昨日去ったようだ。地蔵様に登山の安全とたまを含めた家族の健康をお願いする。周辺の山は、薄っすらと赤みを帯び季節は秋であることを教えている。
最初は緩やかな上りの木道を進む。既に下山する人と会う。地蔵岳を越えると蔵王の主峰熊野岳(1,840m)が正面に姿を現した。南北に長いなだらかな山であるが、南側が崖になって落ちているのが特徴だ。一旦下って熊野岳への上りとなる。白ペンキの外、棒杭で登山道を示している。冬期用であろう。火山特有の岩だらけの道となるが、歩き難い程ではない。途中から頂上へ直登する近道を利用して山頂に到着。歩き出して40分で頂上に立ってしまった。35年振りである。
小憩後、斉藤茂吉の歌碑を確認し、熊野神社に参拝して刈田岳に向かう。這松を見ながら進む。小学5年の時に知り、北アルプスと違い蔵王のものは小さいとの記憶であったが間違ってはいないようだ。馬の背に下ると蔵王のシンボルお釜(火口湖)が見えた。崖の一部が崩れたとの報道があったがその跡が正面に見える。お釜見物の観光客が多くなる。エコーラインが走り、すぐ近くまでリフトが動いているからだ。小生も家内を連れて最初に帰郷した時お釜まで来たことがある。
観光道路を避け登山道を一人登って刈田岳(1,758m)到達。熊野岳と違い観光客が大勢展望等を楽しんでいる。山頂神社で記帳して馬の背に返し、熊野岳避難小屋を目指す。途中、宮城県側の町並みが見えた。地図で確認すると手前の大きな建物は蛾々温泉らしい。棒杭に沿って小屋に着き小憩。側に仙台2中の遭難碑があった。熊野岳、地蔵岳間の鞍部への道は歩きやすい道。未だ花を付けた高山植物に出会いカメラに収める。後に調べたらコメバツガザクラのようだ。地蔵岳の山頂(1,736m)を経由し、地蔵様に無事下山を報告してロープウェイで蔵王温泉に下る。スキー場の草原で悠々と草を食むかもしかがゴンドラから見えた。温泉で汗を流した後、バスでJR山形駅に戻り奥羽本線に乗りJR東根駅に降りて、兄の車で実家に帰った。
(97/9/20歩く 13回卆 工藤 莞司)
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