2012年8月27日月曜日

私の山歩き里歩き紀行・山形編(20)

蔵王ドッコ沼からザンゲ坂を上る  



45年振りのドッコ沼
 ロープウェイ高原駅を降りるとドッコ沼は直ぐであった。山中の小さな湖は神秘的にもエメラルド色の湖水を湛えていた。何年ぶりであろうか。多分高校3年の夏休み中学同級生と湖畔のロッジに泊まって以来だろう。早朝人気のない畔を半周して、夏場のゲレンデを上がる。昨夜(7月7日)はこちらのOB会に参加して遅く迄飲んだせいか、調子が出ない。僅かな上りや距離にも足を止めては一息入れる。これを繰り返してようやく中腹の林道へと出た。紅葉峠を過ぎると快適なブナ林の中の道。樹氷の家手前に出た。片貝沼を一周する。後半高台から湖面を見下ろすと、眼下に見える摩周湖の感じさえした。ここの林はダケカンバとある。そうすると先程の樹林帯もそうであったのであろうか。

  コースを誤りザンゲ坂を上る  
 沼から離れて方向を失った。予定では、いろは沼のある観松平へ下りるつもりである。持参の地図等をチェックしたが今一はっきりしない。左手に上がるとザンゲ坂。左手下方向に林道があって突入する。途中からを山頂へ向かってしまった。リフトの終点に至り、更に上がるとロープウェイ下となり、現在地を確認する。予定地より上なのか、下なのか不明。その時、人の声がして直ぐ上部が登山道と判明。取りあえず合流して上り続ける。これが急坂でやはり、断続的に小憩を取りながら一歩、一歩と進む。冬はスキーの滑降コースのようだ。若かりし頃2,3度滑ったことがある筈だ。前後していた家族連れは後になってしまった。ピークに上がると見覚えのある風景。なんと地蔵岳下の地蔵尊。難渋した坂はザンゲ坂であった。知らず知らずに蔵王山最大の難所に迷い込んでいた。  
 
 観松平には辿り着けず  
 お地蔵様に手を合わせて、ロープウェイに乗り観松平に向けて下る。樹氷高原駅で下車したがまたもコースを誤ってしまった。イラスト図片手にスキー場内を下る。行けども行けどもいろは沼や天竜の松は見当たらず、標識もない。麓の街並みは上山方面であろうか。15分程進んでUターンした。駅傍に戻り、目標の地はリフトで上がった先と気付いた。残念という外はない。再びロープウェイで下りバスに乗り継ぎ山形駅から13時発の新幹線に飛び乗った。予定より2時間前に帰宅できた。お土産には蔵王温泉稲花(イガ)まんじゅうとした。祖母の好物であった。  
 
 念願のじゃがらもがら  
 蔵王温泉で開かれたOB会に出席した。講義も丁度学校行事で金曜日から休講。7月6日、天童温泉駅に降りて、じゃがらもがらを訪ねる。低地ながら地中から吹き出す冷風で高山植物が生育していることは高校時代から知ってはいた。タイミング良く、旧知のTさんに送迎してもらう。彼は地元企業の役員を退き、現在は市内でコンサルタント業を営んでいる。長く知財を担当しておられた。じゃがらもがらは意外に山奥ではあったが、山中の狭い一画であり、四方山に囲まれた底地に、小さな穴が点在している。やはりヤナギランが咲き、温度は低いようだ。穴上に手を翳したら、冷たい微風を感じた。携帯に収め窪地を出て山道を下った。途中、Tさんの車に出会い拾ってもらった。二人で昼食後、実家へと向かった。             (07/7/8歩く 13回卆 工藤 莞司)

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